「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」は、コンパクトなスタジオに、本格的なコンサートホールの音響・残響を再現させるため、徹底的にこだわった設計をています。
スタジオ設計は、音楽家のための住宅設計・音響設計・防音工事の専門業者「小さな音の設計室」の小笠原清隆氏に依頼。
クラシック音楽、ピアノの音色に最適なスタジオの設計、環境整備をお願いしました。
→ 小笠原清隆氏(「小さな音の設計室」)のインタビューはこちら
「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」の音響・残響への5つのこだわり
「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」では、以下の5つを徹底的にこだわることで、クラシック音楽に最適な音響・残響を実現しました。
クラシック音楽に最適な「残響時間」
クラシックホールのような伸びのある残響時間を、コンパクトなスタジオで再現するためにはどうしたらよいか?
日本のクラシックホールの残響音といえば、サントリーホールの「3秒」が基準とされます。
ただ、その「3秒」をコンパクトなスタジオで再現しようとすると、逆に音のバランスが崩れてしまいます。
そこで、「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」の容積から導きだした最適な残響時間は「0.5秒」。
この「0.5秒」の残響時間を実現するために、部屋の設計から使用する材料、部屋に置くアイテムまで徹底的にこだわりました。
通常の部屋の3倍の重さに耐える頑強な「床」
通常の部屋の3倍の重さに耐える頑強な「床」
スタジオの設計で重要な要素が、部屋の重さです。
「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」のスタジオ自体の重さは、同じ広さの通常の部屋より、約3倍の重さがあります。
スタジオ自体にしっかりとした重量があることで、ピアノ本体をしっかりと安定的に支えることができます。
その重さをしっかりと受け止める土台があってこそ、ピアノの音色に豊かさと重み、パワフルさと繊細さを表現させることができます。
あわせて、防音や遮音の効果も期待できます。
高さ制限があるなかで最適な響きを実現した「天井」
高さ制限があるなかで最適な響きを実現した「天井」
コンサートホールのような音の広がりや残響を再現するには、天井の高さも重要な要素です。
つまり、天井の高さがあればあるほど、コンサートホールのような豊かで広がりのある音を再現することができます。
ただ、住宅地でのスタジオでは、天井の高さを確保するにも限界があります。
「Piano Studio Grazia(スタジオ・グラツィア)」では、ダクトなどを埋め込み式にし、二段構造にするといったレイアウト方法で天井高を確保。
かつデザイン的にも美しさを実現しました。
防音性・遮音性に優れた「窓」
せっかくの音響のこだわりも、外部の騒音などがスタジオ内に入ってきてしまえば台無しになってしまいます。
そして、いくらピアノの音が素晴らしいといっても、近隣にお住まいの方の生活環境にご迷惑をおかけすることはできません。
そのために、防音性・遮音性に優れた構造の窓を設置しました。
通常音だけにこだわれば、窓を失くし、監獄のような密閉された部屋にするという案もありました。
ただ、演奏者として気持ちよくピアノを弾く環境を作りたいという想いがあり、自然光が入る窓を設置しました。